強くなる条件 ■プラスターワールドSS [小説]
なんだか、発作的に書いたプラスターワールド小話。
いくつか俺設定なので、違和感がありまくりかもかもかも。
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「プラストオン?」
「人間と合体して別のモノになるんだ。」
いつになく、真剣な顔でビートマにそういった。
「ほ、本当にそれで、強くなれるのか?」
「なれる。けど、強くなるのは俺たちじゃない、人間のほう。」
人の悪い、ニヤリとした笑みを浮かべる。
「イミねえっ!」
「いや、俺たちもまったく無関係ってわけじゃない。大きな力は、協力し合わないと引き出せないんだ。」
まだ、何か隠しているのかニヤニヤ笑いは止まらない。
「巨人像ってあるだろ?」
「あ、ああ。」
それは、すこし大きな町ならどこにでもある人間タイプの石像だ。大昔、このプラスターワールドを守ったのだそうだ。そう、ビートマは聞いていた。
「あれは各地に何体か散らばって立っているんだが、あそこから来る人間は俺たちに力を与えると言われている。」
ビートマの見た分は少ないが、分布状況から見て何体かというほど少ない数ではないし、人間がそこから現われるというのも聞いたこともない話だ。
しかし、あえて聞いてみた。
「…さっきの『人間』とは違うのか?」
「そっちは『トレジャーワールド』から来るんだ。大きな街では結構行き来があるんだが、ビートマの所は田舎だからなぁ」
「その、巨人像の所へ行けば、俺たちに力を与えてくれるっていう人間に会えるのか?」
トレジャーワールドの人間では意味がない。だが、思ったよりも簡単にプラストオンができそうだと云うことに、すでに心は旅支度を始めている。
「ああ、いくつかは本物のはずだからな。」
その軽い一言はビートマのふくらみかけた希望を粉々に打ち砕く。
「ニセモノもあるのか!」
雑学の一つだと軽い気持ちで聞き込んだ噂話にここまでの食いつきを見せるビートマが少々心配になった。
「ニセモノばっかりの中に本物があるんだ。」
悲しいかな、本物と偽物があったという事実さえ青天の霹靂だったビートマにとって、いままで幾つか見てきた石像のどれが本物か偽物かなど、見分けがつくはずはなかった。
「ど…どう…どうやって見分ければいいんだよ!」
あまりの衝撃の事実に歯の根が合わなくなってしまった可哀相な子を憐れむ心はあったが、心を鬼にして冷たく切り捨てる。
「しるもんか。」
カブト族にとって、プラスターマークが現われたビートマは異端だった。
そもそも、カブト族に戦う力はない。空も飛べず、力も弱い。足が速いわけでも、頭がいいわけでもない。そのような種族にプラスターマークが出ても、持て余すばかりで大した役にはたたない。
「大きな街に行けば、知りたがりのタンク族がいる。やつらならもっと詳しく話を聞けるはずだ。」
そのタンク族がビートマのこの勇気を打ち砕いてくれるだろう。
「たしかにタンク族なら知ってそうだぜ!」
無駄とは思いつつ、引き留めてみる。
「ほんとに長丁場になるぞ、ビートマ。」
「…それでも、俺は強くなりたい。」
自分の総てを、このプラスターマークにかけられるビートマを本当に羨ましく思った。
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プラスターたちって、なかなかにかわいいんだっってば。
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