《魔星のたくらみ》■ギャグSS [小説]
ごそごそ書いていた、超機動大将軍のショートストーリーをさらしてみました。
飛駆鳥大将軍と魔星なので、超機の直前って感じかも。
マイ設定がちらほらでごめんー
ジリ…と油が燃えて音をたてる。その微かな音が聞こえるほどに静まり返った部屋に黒い武者が一人、大柄な体からにじみ出るのは、壮年の落ち着いた気配。
その気配の影から微かに落とす禍まがしい闇は時間を経るに従い濃くなってゆく。
「来たか、序武留よ。」
「は、殿。」
腹心とも呼べる男が姿を見せた時、その禍まがしい闇は隠しようもなく濃くなっていた。
「これから飛駆鳥になりすまし、この天宮を掌握する。」
序武留にだけ聞こえる低い声で、そう告げる。
その重大な告白にみるみる序武留の顔が色を失ってゆく。
「ビ、飛駆鳥大将軍にですか!?」
充分に時期を待った。それ以上に、これよりの上策はない。序武留の戸惑いは魔星にとって、意外だった。
「ふ、不可能です。」
「わしに異見するか。」
不機嫌にたしなめる。
「あ、あの鎧を付けられると。」
ひらりと桃色に輝く翼が脳裏をかすめた。たしかに今の自分とは対極にあるような鎧だ。だが、着てしまえば見えることはない。
「しかたあるまい。」
苦々しげなその言葉に、序武留の顔がますます暗くなる。
「…元気に、おはようだの仰られると。」
自分の声と飛駆鳥の声が似ているのは確認済みだ。しかし、性癖はまさしく鎧と同じく対極にして、むしろ兄の轟天に似ているのは、薄々感じている。
おはようの一つぐらい、出来んでどうする。天宮を掌握できるのであれば、そのくらいのことどうということはない。
「し…しかたあるまい。」
だらだらと脂汗を滲ませる主を前に序武留はできる限りの感情を廃した声で、やっと一言つぶやいた。
「無理です。」
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ちょう ごめん 。
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