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《命惜しむ手のひら》■FC劇場SS [小説]

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某所に上げたのと同じですいませんが…FC劇場の世界でG-アームズみたいにちゃんとした(笑)戦争がはじまっちゃったら、みたいな設定で。
まぁでも、武力バケツくらいのほうがいい。

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モトネタ設定ももりこんで、妄想してみましたv



 「戦場のFC劇場」



「…確かに核を持っているが、戦略核だ。こんなもの9割方使うことはない。」
 全員の装備を確認し合う中で、あまりの武器の少なさに、愕然としながらも、そのなかで飛び抜けて強力でありながら使ってはならない兵器を持つ、GP02に意見を求めた。
「しかも敵が知らぬのならともかく、性能も一発で戦局をひっくり返すほどの力を持っていることも知っている。…これは使わぬ事で威力を発揮するモノだ。」
 同時に、その兵器を持つGP02自身もマスターやゴット、ウイングと並ぶ強力無比な強襲用重MSだ。
「こんなモノ使わなくとも、俺は強い。」
「見かけによらず、ナイーブなのが弱点。」
 頼もしい、GP02の言葉に冷や水をジャージャーと掛けるような声がかぶさった。

 GP02の天敵、GP01。

 まるで、その言葉を裏付けるかのように、重厚で寡黙だったGP02の様子が一変する。
「な、てめえッ!お前なんかに幼稚呼ばわりされる覚えはねえええぇッ!!!」
 ヒステリックに騒ぎ立てるGP02を、初めて見る者はあ然とする。
「オーキスはどう?」
 すでにかなりの免疫もあり、これ以上取り乱すGP02を衆目に曝すのも可哀相だと、さっそくガンダムが二人のスキンシップの中に割って入る。
「出られるぞ、GP02よりは頼りになる。」
 GP02が答えるより、先にGP01が間髪入れずに答えた。余計な口を挟むGP01にGP02が殺気のこもる目で、この野郎と睨む。
「オーキス単体の運用は無理だ。…子供を巻き込むつも「お前が、暴走させたノイエ・ジールを押さえたとき―――――――」
 GP02の懸念にGP01が言葉を被せた。
「一番危なかったのはステイメンだったなー」
 今世紀最大の汚点を容赦なく白日の下に引きずり出されたGP02は、ぐんにゃりと床に屍をさらし、しくしくと草葉の陰で忍び泣きながら、陳謝のダイイングメッセージを残している。
「や、そのくらいで。」
「…別に前線に出るワケじゃない。」
 人の好いガンダムがとりなし、ゼータが混乱を治めるように現状を述べる。
 しかし、二人に釘を刺すことも忘れずにそえる。
「子供でもれんぽーの強力なMSなんだ。俺たちが負けたら、ただじゃすまない。」
 死体となったGP02をフォローするかのようにゼータが声をかけてくれる。
「…なにより、GP02がコチラにいるのは心づよい。」
 その言葉にはげまされ、ゾンビのようながら、よろよろと立ち上がる。
「いい人ばっかりでよかったなー、じおんが作ったMSのさっちゃーーん!」
「せせせ設計技術者がジオニックってだけで、生まれはてめぇと同じアナハイムだ!殺すぞ、この野郎!!」
 満身創痍なGP02を情け容赦なく、しかもにこやかに罵倒する、どんなときにも日常を忘れない仲間に、ガンダムが少し苦笑いする。
「じおんやあくしずが敵になったと言っても、人質みたいなものだよ。…本当の敵はシャアたちの背後にいる。」
 戦いにくそうに銃口を向けるキュベレイや、ワザと見逃すような行動をとるシャアの姿に、苦い溜息を吐く。
「…ジオだけは、違うと思うぞ?」
 ぬっと現われたゼータが感傷にひたるガンダムに少しイッてる目で、個人的な見解を述べる。
「もし、GP02がアッチに現われたら、GP02だけは殺る気満々だろうね~」
 ゼータに同調するようにGP01がちゃちゃを入れる。
 後ろでGP02が目を剥いて、今にも山菜採りに来たふもとの人を遅うクマのようになっている。襲ってこないのは、GP03がGP02にあっちへ行っちゃヤダーと健気に押さえているおかげだったりする。
「と、とにかく、コロニーの平和は俺たちの肩にかかっている!がんばろー!!」
 強引にまとめたガンダムの結びの言葉に、イキオイだけのゴットやナタクが反射的に同調し、さらに周りもがんばろーの声をあげた。



「さすがに、死ぬのは恐くなったか?」
 にやにやと笑いながら誰もいなくなったのを見計らうように声をかけたGP01に、目を向ける。
「9割方使うことはない、なんてさ。」
 無愛想極まりない顔に相応しい、無愛想極まりない声でぼそりとつぶやく。
「恐いわけじゃないが…命が惜しくなった。」
 GP01も納得がいったように、うんうんとうなずく。
「そうだよねぇ。」
 あからさまに含むモノがあるその相づちに、GP02がさらに機嫌を害した顔でその場を離れようとした。
「アトミックバズーカを使うときは、4割方生還が難しいって言わないの?」
 GP02が反射的に振り向いた。生還率が100%ではないことは、GP01も知ってるだろうが、6割の生還率は最新の情報で、GP01は知らないはずなのだ。
「……てめぇ…それ言うなよ、バカヤロー!」
「お~コワ!」
 GP01が、全然怖がってない顔で大げさにひるむ。
 この男だけは実兄ながら油断がならない。
 振り向いて睨み付けるGP02の肩を笑いながらぽんぽんと叩いて、すれ違いざま、耳元で囁いて去ってゆく。
「生きて帰るぞ。」

「…いわれなくとも!」


2010-01-30 23:05  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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